出張鑑定の時でした。
訪問先の人はすでに力のある守護神さまがいらっしゃって、訪問先の玄関で私におっしゃいました。
「今まで何度も力を与え教えているのだが、一向に我の存在を認めようとせず、他の能力者ばかりを頼って残念だ。白龍さまには多大なご迷惑をおかけいたすが、この者に我の存在と力をわからせるために是非ともお力をお貸しあれ」
玄関を入るなり、このようなメッセージが降りてきました。
私は最初は意味が分からず戸惑いましたが、訪問先の依頼者のお話をお聞きするうちに、その守護神がおっしゃっている事が何となく理解出来てきました。
依頼者は様々な問題、難問を抱えていましたが、それらを全て周りの霊能者の言うがままに行い、行動してきたようです。
そのため、状況はぐちゃぐちゃになり、収集がつかない状態でした。守護神さまは様子や依頼者のその行動が歯がゆく、なかなか解決に至らない時間を見守るしかなかったようです。
私はそこで、その家に居つき、悪さをし、状況を悪くして楽しんでいる「キツネ」を利用する事にしました。依頼者の守護神さまからご指示された通りにキツネを利用したのです。
キツネは真実を捻じ曲げウソをつき、結果をうやむやにしてわかりにくくかき回してしまいます。
そのキツネが依頼者の家系的な悩みをさも真実のように私に伝えてくるのを、そのまま伝えました。すると依頼者は「う~ん、どうかなぁ・・」などと言いながらも何となく私の言葉を信じ、行動していきました。
ある程度の事が進み、キツネはもちろん小躍りしながら事の顛末を見ていて楽しんでいます。
私はそれを横目で見ながら依頼者が私の言う通りに事を進めているのを見守りました。
ある程度の事まで進み、私は出張を終えて帰りました。
すると、数日後、電話がかかってきました。
お声の様子から、かなり怒っているようです。(それはそうでしょう、間違ったやり方を指示したのですから・・・)
「疎遠になっていた親戚と連絡が取れ、家系的な事を聞いたら、あなたが言ったことと違っていた。なので、いろいろやってもらったが、全部お返しし、料金も返してもらいたい」という事でした。
もちろん、私は今回の訪問は依頼者が持っている力を開眼させ、身内との確執を無くし、守護神を認めさせる事を使命としていたため、快く受け入れました。しかし、守護神からの依頼であったとは言う事が出来ませんでした。それは依頼者の守護神さまの威厳を損じる事になるからです。
依頼者からは「偽物」のレッテルを張られてしまいましたが、依頼者が自分の力で(守護神からのメッセージを受け)解決に導く事が出来る「力」が備わったのではないか、とひっそりと満足しています。
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