50代の男性が来室されました。
職場では管理責任者という立場で全体の危機管理や後進の指導に尽力されているそうです。
早速症状をお伺いしますと、仕事を終えての帰宅途中、突然チクチクと心臓を突かれるような痛みを感じて運転することができなくなったそうです。
毎年行われる健康診断では心臓の疾患の異常を指摘されたことは無いとのことでしたが、今までも仕事中に突然心臓に刺すような痛みを感じ、しばらく胸を押さえていたことがあったそうです。
今回は痛みが少し落ち着くまで車内に留まり、その後車のエンジンをかけたところ、何度やってもエンジンがかからなくなってしまったことも気になるということでした。ちなみに車は数日前に車検を受けたばかりでエンジンもバッテリーも問題は無かったそうです。
さて、心臓の痛みは可能性としては検査に引っ掛からない何らかの異常があるのかも知れませんし、車についても検査後にトラブルが起きる可能性が全く無いとも言い切れませんが、私には一つ確認をしておきたいことがありました。
それは職場や仕事上でのトラブルです。本人が自覚していなくても相手がある場合、負の感情を受けてしまって今回のような症状や現象が実際に起こりうるからです。
明らかに揉め事が起きた場合もそうでない場合も、相手が自分に対して抱いた怒り、恨み、嫉みなどネガティブな感情によって体調不良に陥ることは意外に多いのです。
男性に確認しますと案の定心当たりがあるということでした。激しい揉め事ではないものの、相手の方にしてみれば、自分に非があったとしても認めたくない気持ちや逆恨みに近い感情が生じてしまったのでしょう。
それらのことを理解した上で施術を始め、しばらくすると強張っていた相談者の身体が少しずつほぐれていくのがわかりました。特に痛みを感じた部分はヒーリング中心の施術をおこない、例えると、何かが吸い取られていくような感じがするとのことでした。
施術後に身体の確認をして頂きますと、特に上半身が軽くなり、胸の痛みは消えたとのこと。最初は不思議そうな表情をされていましたが、腕を回したり身体を動かしているうちに笑顔になっていらっしゃいました。
社会的生活をしている限りは人間関係を通してさまざまな感情が派生することは避けられませんが、理不尽なことであっても相手には相手の感情があることを理解することはキーポイントになっていくのかなと感じています。言うのは簡単ですが、難しいですね…(-.-)
男性にしてみれば痛みの原因がわかり、それが解消したことで安心されたことでしょう。笑顔で帰って行かれるのを見てホッといたしました。
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